時計いろいろ情報

Q And A (その他)

 

 
<オーバーホールの必要性>

ご購入後4年以上経過しているようでしたらオーバーホールを推奨致します。

時計は製造後3年後頃から油切れが始まり5年後には油がほぼ無い状態になってしまいます。
油の固化やチリ詰りも起きてきます。
油のない時計は、自動車のオイルの切れたエンジンのように、いつ故障してもおかしくない状態です。
逆に適切にオーバーホールをしておけば数十年使えるということになります。

油のあるうちは歯車の接触は金属同士でなく油の接触ですし歯車心棒と受石との接触は溝の油の上で回転している状態に近いので摩耗がありません。
その他、サビを防ぐ役割を含め油は重要です。

オーバーホールは、時計の部品のすべてを分解し洗滌して、注油しながら組み立てて行きます。
その後、調整・点検をして仕上げます。
定期的にオーバーホールをしていない時計は部品が摩滅していて精度が出ない場合もありますが ひどい状態でない時計はオーバーホールで甦ります。

その他、リューズや釦周り・ブレスレットやバックルなども汗や経年で汚れてサビが発生し取り返しがつかない事態も起きます。
高額なメーカー修理代が必要となったり、入手出来ずに修理を諦めざることにもなってきます。

出来れば早目にそして壊れる前にオーバーホールをされるのを推奨致します。



< オーバーホールに要する期間:至急の要望に対してのご回答 >

オーバーホールと磨き仕上げは並行作業が可能ですので、期間の重複は無くすることが出来ます。

オーバーホールでの 時計内部の修理・調整に関しては、早ければ 1〜2週間にてアップできることはありますが、最終的には「時計との相談」というような、状態により期間が掛かることがあります。

大まかでも、下記の各種工程が有り 急いでも期間を要します。

<オーバーホール内の主な作業工程>

部品の分解・特殊液での超音波洗滌(全部品・ケース及びブレスレット)・不調部品の修整・不良部品の交換・組立てと注油・磁気抜き・精度調整・タイミング調整・日差点検・自動巻上点検・パッキン交換・ケーシング・防水テスト・ランニングテスト(通常使用状態での点検含む)等

ランニングテストでは、腕から外した時計が止まりきった後(2日掛かる)で 別の条件でのテストを行なうことを 数度繰返す為に期間が必要です。



<腕時計の取扱い注意事項>

●クオーツ時計特有の問題

<電池交換>
当店では、電池交換についても修理技術者が担当致しますので、傷をつけたりすることなく、適切な処置を取ることが出来ます。
また、単に電池交換だけの作業だけでなく、下記のセット作業をします。
@電池交換、接点・裏蓋周り清浄、回路点検
A電池交換、接点・裏蓋周り清浄、回路点検、防水検査、パッキン交換

<クオーツ時計のオーバーホール>
腕時計の「油切れ」は、一般に3年から始まり5年では油切れ状態になります。
油切れ状態では、部品の磨耗が進みますので5年経ったらオーバーホールをされるのを推奨します。
機械式時計はそれ以前にも「精度落ち」などの現象が出たりしますので、その場合には早めにされると良いのです。
クオーツ時計の場合は、チリ詰り状態では止まりや電流過多での電池消耗異常が発生することもありますが、余り「精度落ち」はしません。
従って10年も正常作動ということは珍しくはありませんが、大事な時計はやはり5年経ったらオーバーホールをするのが良いでしょう。
クオーツ・クロノグラフ時計の場合は、少し複雑な機構で、オーバーホール料金も機械式時計に近くなります。


●機械式時計特有の問題

<ゼンマイ切れ>
オーバーホール後、1年に満たずに修理した時計が故障する場合は、可能性として「ゼンマイ切れ」が高いかもしれません。
ゼンマイという部品は何時切れるかが解らない点があり修理する方としてはやっかいです。
新品のゼンマイでも交換修理直後でも切れる可能性があります。
またオーバーホール時に状態を把握することができないことも多いのでやっかいです。
本来保証できない部品なのですが、ゼンマイの保証期間は3ヶ月としています。
(時計修理の保証期間は通常6ヶ月です。)
当店でオーバーホールした時計のゼンマイが切れた場合ですが、ゼンマイ実費代金(約4〜5千円)と経過期間に応じて割引した技術料金で、修理(オーバーホール)を行ないます。


●外装部品の修理の問題

下記の部品を「外装部品」としています。

@文字盤(ダイアル)A針 B風防 Cベゼル Dリューズ Eプッシュボタン類
Fケース Gベルト

ベルトについてはメタルブレスレットと、革ベルト・ラバーベルト他があります。
メタルブレスレットは、フラッシュフィット(弓竿)・本体コマ・調整コマ・クラスプの部品で構成されます。
クラスプはバックルや留金とも呼ばれますがタイプは数種あり構成も種々です。
バネ棒や各種ピンやパイプ類も構成部品です。
革ベルト・ラバーベルト他は、クラスプ(バックル・留金)ないし尾錠の留める部品があります。

外装部品は、通常、メーカー固有の部品でメーカーしか持合せがありません。
オメガやロレックスのように修理市場で部品の一部が入手出来るブランドもありますが、大抵はメーカーから外部に部品販売がされることはほとんど有りません。
メーカーは、部品交換とオーバーホールを含めた修理として受付けています。

時計をお預かりし点検をした後、外装部品が不良で交換が必要なときは、ご了承を頂いたうえメーカーに修理依頼をすることもございます。


●時計取扱い上の注意事項


<リューズの操作>

-- 手巻き(機械式時計) --
機械式時計は、巻上げられたゼンマイが解ける力をパワーにして作動しています。

「手巻き時計」は、「リューズ」を回す(巻上げる)ことでゼンマイが巻上がる機構になっています。
「自動巻き時計」は、手首に着けた時計が振られたりすることで、内部のローターが回転しゼンマイを巻上げる機構になっています。
自動巻き時計でもリューズで巻上げることが出来ますが、機構上は負担がかかるので自動での巻上げ不足がない限りは避けた方が無難です。


-- 日付・時刻合せ --

3時位置にある「リューズ」を、1段引いて回すことで日付合せ(早送り)が出来ます。
2段引いて回すことで時刻合せが出来ます。
(時計によっては逆のものや特殊操作のものがあります。)

※重要※

操作上で厳禁なのは、日付が自動的に変わる「0時」位置の前後3時間(21時〜3時)に時刻の針がある場合には、日付合せ(早送り)をしてはいけないことです。
この忌避事項を行なうとカレンダー機構に損傷を与えて故障することが起こります。
1日進めたいときなどには、それ以外の時刻のときに行なって下さい。
実際には、その時間帯に日付・時刻合わせが出来ない訳では有りません。
もし、21時〜3時に、日付・時刻を合せたいときは、とりあえず6時頃の時刻に針を回し、日付は早送り操作で1日前に合せて下さい。
その後、時刻合せで針を回し、「0時」位置で日付が変わることを確認した後、実際の時刻に合せるようにして下さい。


<クロノグラフのプッシュ釦の操作>

クロノグラフ(ストップウォッチ)の時計では、2時位置にある「スタート/ストップ 釦」 を操作することで、時間間隔を計測出来ます。
まず、1度目に押すと「スタート」、再度押すと「ストップ」します。
継続時間を計測する場合は、さらに押す(3度目)と継続再開となって、もう1度押すと「ストップ」というように繰り返されます。
4時位置にある「リセット釦」は、ストップ状態でないと無効ですが、ストップ状態の時に押すと元の位置に戻ります。
特殊なものに、フライバック機構やスプリットセコンドという機能の時計もあります。


<針合わせの方法について>

クオーツ・クロノグラフの時計では、電池を交換したりした時や不用意に操作をしたときで、クロノグラフ機能リセット状態での
針ズレ(針が上方向位置に戻らない)が生じることがあります。

針ズレを直すには下記の操作をして下さい。

@ リューズを1段引き(日付早送りの位置)、クロノスタートボタンを押すと1/10秒計が動きます。
押し続けると回転します。
上方向位置に戻ったところへ合わせて下さい。
A そのまま(リューズ1段引き位置)で、クロノリセットボタンを押すと真ん中のクロノ秒計が動きます。
押し続けると回転します。
上方向位置に戻ったところへ合わせて下さい。
B リューズを2段引き(時刻合せの位置)、クロノスタートボタンを押すと30分計が動きます。
押し続けると回転します。
上方向位置に戻ったところへ合わせて下さい。
C リューズを戻して針合わせ終了です。

針ズレおよび修正の機能のない時計も有ります。



 < 過度なショックにご注意 >

時計は、いろいろな衝撃対策をしているものが多いのですが、ショックには極めて弱い物と考えていて下さい。

硬い面に落下させたりすると無事であることはまず少ないのですが、スポーツで振り回したり、
バイクの振動なども痛める原因となります。

衝撃の度合いはいろいろですが、何らかのショックで「ヒゲゼンマイ」という部品(常時フラフラと動いている振子の機能)に偏りが発生したり、絡んで変形すると、まともな動きではなく1時間のうちに5分進むなどの極端な事象が起きることがあります。

時計を落としたりぶつけたりは勿論ですが、ゴルフ・テニス・バッティング・過激なスポーツなど過度なショックの可能性のある動きの際は、時計の装着にご注意いただければと思います。
(必ずしも過度なショックでない場合にも発生する可能性はあります。)



 < 海やプールで時計を使う場合 >

時計は、水気には弱い物と考えていただくのが無難です。
防水性能が20気圧防水(200m防水)以上のダイバー時計では、正しい使い方をすれば防水性は守られます。

非防水や日常生活防水の時計、5気圧防水程度の時計は水気を避けて下さい。
雨・汗・洗面もそうですが、シャワーや風呂などは論外です。

ダイバーモデルの時計でも、高級時計は水には浸けないということが一般的なほど、時計は大事に扱われています。
変な話ですが、マニア間では、耐震装置内蔵・2000m防水等の高級時計でさえ、水泳はもちろん、スポーツ時には使わないようにして大切にするのが当然と言われています。

ダイバーウォッチにしても余り海水に浸けるのは感心しない理由があります。
その後の手入れが必要になります。
海水が付いた後、すぐに手入れをしないとリューズ周りに残った塩分がリューズ・チューブのサビを起こし、ザラザラがパッキンを痛め防水不良になっていきます。
ベゼルの内部に海水が浸入すると内部のバネがサビつき、ベゼルの回転がスムーズでなくなります。

ブレスの汚れが海水で塩分を蓄え、ステンレスとはいえサビます。
ピン類が壊れる原因になってきます。

海水が付いたら真水で洗って、リューズ周りは、綿棒などでよく清浄して下さい。
この際に水が浸入しないよう注意も必要です。

ケースとブレスを繋ぐバネ棒はいずれサビで壊れますので早めに交換したほうが無難です。

オーバーホールは早めにしないと問題が起きます。



< 磁気にご注意 >

強烈な磁気には近づけないで下さい。

電子レンジやIHI調理器にはかなりの磁気があります。

またテレビやオーディオ機器のスピーカー、パソコンの電源部等も問題になります。

特殊なマウスではパッドからの磁気で電力を得るものがありますが、時計には当然よくありません。

故障で持ち込まれた中には、時計をつけたまま医療機のMRIを通過したなどというとんでもないこともあったりしました。

ハンドバッグの磁石留金やホワイトボードの磁気クリップにもご注意下さい。



 
 

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